うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.15 迷彩

迷宮のような木々を抜けるとそこには
白骨化した首吊のスーツがぶら下がり
迷彩柄のメイクをしても顔がこわばり
敵に見つかって射撃されるに違いない

静かに眠った山猫を捕らえて皮を剥ぎ
迷惑そうなそいつの死に顔に笑いかけ
風に唸る大木に背中を合わせていると
迷信が現実的な仮定として現れてくる

迷走していた自分の足跡を眺めて佇み
夕日に染まる景色に懐かしさを感じる
迷界に陥る幻には負けない精神力だが
体力はもうほとんど使い果たしていた

導く者はどんな姿形でもありがたいが
迷い子はいつも自分勝手な方向を向く
空にあく無数の穴から差し込こむ光が
迷い星を照らして僕の目は潰れそうだ

迷彩服が光に暴かれてしまうと畏れて
更に木々を抜けて奥に向かって行くが
迷う先に彩られるのはやはり死の色で
もはや受け入れる他に術はないと悟る