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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.11 熱量

でっぷり太ったパソコン狂が寝ている
そして起き出すと食べ物を探している
たっぷりのバターを塗ったジャムパン
口に含むと彼は幸せそうに笑っている

砂糖漬けのシリアルとミントチョコと
きな粉餅とビスケットを頬張ったあと
ぽっこりと膨らんだ腹をさすりながら
ソファに埋もれてテレビを眺めている

給料袋をびりびりと破き食い物に変え
半月経つと残金が限りなくゼロに近い
水道と電気を止められても空腹は襲い
いつも巨大なケーキを思い描いている

彼は体重計を投げ捨てて現実逃避して
自分の部屋が菓子の部屋だと錯覚して
取りすぎた糖分を燃やすこともなくて
風船のように膨らみ続け動かなくなる

そしてある朝に彼は破裂してしまって
部屋の中に何かわからないものが弾け
芳醇に昇華し濃厚に走馬灯を見ながら
壁をピンクに塗りたくって死んでいた