うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.9 獲物

葉巻をくわえた髭面のジジイに言われ
チンピラを一人バラしてしまったこと
それをネタに強請られ一文無しになる
道で後ろから刺されそうで怯えている

獲物は自分か奴なのかわからなくなり
一人ロシアンルーレットで遊んでみる
当然弾が何発目に入っているかわかる
自殺なんて勇気すら湧かない夕暮れ時

ふとした瞬間に神様を信じたくなって
近所の教会に入って行き宗教にハマる
一文無しの彼からも神は金を巻き上げ
高そうなツボと分厚い聖書だけ残った

昔の仲間たちと銀行強盗をしようかと
電話をかけてみても全く繋がらないし
葉巻をくわえた髭面のジジイに食われ
ステーキにされる夢ばかりを見ている

そもそも全て妄想の産物だったのだが
彼はきっと死ぬまで獲物として追われ
最後の瞬間に目に飛び込んでくるのは
襟首にナプキンをかけるジジイの顔だ