うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.5 深爪な秋

秋めいて 赤くなって
緑とせめぎ合って
雨にも負けず 根を伸ばす
一本の木が出迎える

いつもの駅の真向かいで
空がどんよりとしている
いつものように木が微笑んで
季節の変わり目を伝える

夕焼けのように燃えているなら
凍えてゆく空気まで燃やしておくれ
川の流れに合わせて輝くなら
時間の流れも合わせて輝かせておくれ

人工の樹海で小鳥がさえずるように
自然の真ん中でシャッター音がなる
僕だけしかいない駅の周りは
数件の建物と膨大な量の木々がある

どこまでも静かな朝は
ゆっくりと通り過ぎてゆく
目まぐるしい昼になるまで
どっしりと重く過ぎてゆく

 

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