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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

過去詩 まとめ3

***街と情景の中心***

 

・「冬の風を忘れて」

 

冬の風を忘れて、暖かな気候はこの僕が歩く道を染めて
のどかな街路樹たちは青々として笑いかける
そんな春は意外と早く夏に変わり、川に入る子供たちが増えていく
冬の風を忘れて、今僕の前後左右を包み込む穏やかさは
いつもとは違った気持ちにさせてくれる
今日は遠回りで帰ろうか、友達と喋りながらだらけていようか

冬の風を忘れて、雨雲は仕事の手を休めどこかに旅行している
こんなに天気がいいのは久々だ
腐れてた表情も和らぎ、瑞々しくなっていく気もする
どこかで知らない恋人たちは手を繋ぐ
桜を見て指差しながら顔を見合わせて笑った

 


・「こんなにも空が青い」

 

こんなにも空が青い
 雲も生物のように流れる
  駅はいつもみたく退屈そうだ
   人が忙しく出入りする
電車は今日も生真面目で
 時間通りに走り出す
 遠出の日には席が空いてる時間を狙って
  座って本を開いて読んで
  退屈になりゃ眠れば良い

こんなにも空が青い
 電車の中の照明がなくても
  きっとこの本はちゃんと読めるだろう
  太陽が気合いを入れているようだから
車窓から見る風景は
 横に流れて抽象画のようだ
  水彩画の空と乱れて
  混ぜられたそれは芸術だった

 


・「日暮が鳴くから」

 

 影に落ちた僕の空気
人たちもみんな気付いてる 日暮が鳴くから
 オレンジか黄金か とても綺麗な太陽の近くの空は
僕に手を振って別れを惜しんでいるようだ
 雨上がりの匂いがする 夕飯の香りと一緒で
ノスタルジーに浸ればもうすぐ… 夏が終わってしまう


秋が嫌いなわけでもないが
 この気持ちは何なのか分からない
何時までも海に通い 板の上にでも乗っていたい
 日暮が鳴くから 遠くであんなに鳴くから
僕はこんな風に思う
 明るい午後の六時 夕焼けはいつもより眩しい