うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.2 ベンチに座りながら

邪悪な存在に押し潰されそうになり
苦しむ顔を見て手を叩いて笑う観衆を
押し潰す邪悪な存在になりたいと願う少年が
美しい女と恋に落ちて
愛を知る時に奈落に落とされる

奈落に落とされると少年は年老いてしまい
身に起こったことの全てを思い出し
自分の建てた城の脆さに愕然とするが
死を目の前に感じた時に
救いの手が差し伸べられる

差し伸べされた手を掴むと
自分を陥れた人々を許せるような気がして
暖かい涙が流れた瞬間
神と死神と天使と悪魔と
死んだはずの父と母が目の前に現れたのは
まさしく妄想の産物だった

妄想の産物だった少年と老人は
手を繋ぎ自分の目の前で散歩を楽しむ祖父と孫だ
疑いようもなく孤独な僕だったが
その妄想の中にいるととても安らいだ
そして僕はまた違う誰かを何者かに仕立て上げる