うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

2018-04-22から1日間の記事一覧

No.190 サイレン

涙を啜る音でサイレンの音を掻き消す ひび割れた硝子の向こうで子供が遊んでいる 蛍光灯が死んでいる時は外も明るい カーテンを閉めれば気になるものはない シフトを書き込んだノートを眺めながら 黄ばんできた壁に もっと煙を吐き捨てて 啜った涙を洗面器に…

No.189 皮

人と人とを結ぶものがあるとすれば それが言葉であることは明白だ だから準備をしなければならない 継ぎ接ぎだらけでも まともに見えるように 君は身の丈にあった服を着る はい と いいえ はポケットにしまっておけ そして何より重要なのが その服が受け入れ…

No.188 センチメンタル

空になったペットボトルを潰そう 台所に積まれて 悲しそうだから 白紙に戻せないノートを千切って 懐かしい詩と 一緒に捨てよう 変わりゆく全てに思いを馳せるより 変わらないものの方が心地良いのは きっと 忘れるために思い出して 思い出すたびに忘れよう…

No.187 霧の晴れた街

霧の中に立つ男 瞳の中に秘めた想い 煩わしいものから解き放たれた さて 目指すは霧の晴れた街 夢見心地の女が言った 「私と踊って騒ぎましょう」 男は黙って歩いて行った 「黙りこくって気味が悪い」 キーが刺さったままの車の方へ こつり こつり と近付い…