うたもち詩文庫

詩を書き溜める場所

2017-01-25から1日間の記事一覧

No.57 見世

「酔ってらっしゃい看てらっしゃい」龍に竹の冠を乗せた鳥のような籠の鳥刑務所行きを待つ留置場の真ん前には踊り狂うシルクハットの男たちがいる 「勝ってきままでは仕舞いには肺に」溜まりゆく黒い胞子から出たきのこ雲原爆水爆を見たこともない男たちには…

No.56 鍛造

「おめえさんの言うこたぁちと難しい頭こねくり回さなくても良いだろう?おめえさんのためを思って刀繕ったが死に急ぐこたぁない此処で暮らせよ」 頭を丸めて何十年か経ったであろうか親父の言うことには一理あるが彼にはやらねばならない復讐が付きまとって…

No.55 恋心

厭世の角度から罵倒される道のりには数多く色とりどりの花が咲いてしまうその花をつむ勇気すら湧かずに年老い全てをうやむやにすべく奔走する勢い やってられないことは全て後回しして飲んだくれて管を巻くのも楽しげだが家に帰れば一人きりの冷たい布団だけ…

No.54 万屋

「耳に入る言葉を口から垂れ流す奴」陰口を言われている彼はチクリ屋さんでも仕方ないことだろう?食べるため人はあらゆる人を裏切るべきだからさ 「煙草を一つおくれ」そう呟いてみて差し出された物に火を付け吸ってみたやけに湿気っていてうまい煙草だった…