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うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.87 ハキダメ処/

カーテンの 裾からさした 陽の光 浮かぶ埃と 晴れぬ心と/ 夢の中 逃げれば少し 楽になる 悪夢にもなりゃ 覚めて安堵し/ 窮屈な ベッドの上で 苦しがる 横の女は いまだ寝ている/ 飲んでいる コーラを全て 捨てたなら 流しのにおい マシになるかな/ 暗がりに …

No.86 Untitled

静寂を破ってどうしようもない罵声を浴びせられるようなそんな気分になる午後 電子音の波がイヤホンから聞こえる地を這うような低音が鼓膜を揺らす誰よりも惨めで残酷な運命を抱いて何処かに辿り着くまで穴を掘るような音 誰も知らない秘密を持っている誰に…

No.85 真空

煌めく理想郷そこから突き出る摩天楼奇しい光を放つ一筋の涙のような流星それはバラバラになった宇宙船だった理想郷に囚われた人々は願い事を囁く バラバラになった宇宙船に乗っていた乗組員の男は宇宙に放り出されて漂う太陽に近いからか少しだけ暖かく感じ…

No.84 密生

いつまでも同じことを繰り返している森に完全な死を待つ兵士たちが彷徨うそれに群がる蟻に食い破られた肉体は食料になりつつ森の養分になってゆく 鮮やかな青と深い緑と黒に近い赤にはそれぞれの世界が完全に別物のような逆にその世界が一つに交わったような…

No.83 虚空

苦しみたい時には人間を攻撃するのだ一に対して多数は残酷な力を示すから楽しみたい時にも人間を攻撃するのだ多数は一をとても簡単に踏み潰すから 黒スーツの大群がまるで蟻に見えたら電車に乗ると羽を揺らし合う蜂に見え革の財布で命拾いしている生活やらが…

No.82 思切

絵を描く彼の顔を誰が見たのだろうか彼を知る人はどのくらいいるだろうか狭い部屋を埋め尽くすように本が並びその本と同じくらい絵が飾ってあった 彼の名を覚えている人はいるだろうか彼は誰に愛されて誰を愛していたのか夢追う彼に少年は希望を持っていたが…

No.81 亡失

大切な何かを誰かに売り渡してしまい男はそれが何なのかすら忘れてしまう乾いた口笛と煙草の煙の中で微笑めば死んだはずの過去が壁に映し出される それは何だったのだろう とても大切で命より重い価値のあるものだったはず男はまた過去を映した壁を眺めてい…

No.80 psychopath

落書きされた卑猥な言葉に笑みを浮かべた初めての女この部屋にやってくる女たちは大抵壁を撫でながらそれにキスをする ピアスを開ける快感を覚えて肉体をねじ曲げたいと望んで来る日も来る日も初めての女がこの小屋にやって来て生まれ変わる そして男は報酬…

No.79 移りゆく

鼻白む君の顔に終わりを感じていたのかただ退屈な時間が終わりを伝えていたのか あの頃の僕の言葉は君の感情を乱してあの頃の君の言葉は僕の感情を壊して 移りゆく季節とは裏腹全く変わらない気持ちとは縁を切りたいのにバラバラに千切れそうな切ない気持ち…

No.78 悪友

くわえ煙草が似合う気障な男は言った「悲しいことは全て忘れてしまえ」と愛想つかして出て行ったあの子にすら未練は無いようで気ままな一人暮らし くわえ煙草の煙が目にしみた男の口癖「怪しい奴らに全てを奪われたのさ」愛されもせずに男は裏路地で午前三時…

きまま日記 3/18

久しぶりに日記でも書いてみようと思う。 クリスマスから書いていないので、きままにもほどがある。 僕の周りの環境はとても変わった。2月から働き始めた「鍋レストラン(居酒屋と言うと怒られるらしい)」も1ヶ月働いていることになる。 そして一番変わったの…

No.77 水面はいつも穏やかに佇み

詩人は釣り人と似ていると彼は言ったひたすらに待ち続け 針にかかるのを待つしかない詩人と釣り人の違いは釣り上げたものがどんなガラクタでもそれを愛せるか愛せないかだ詩人はガラクタを愛することが出来るガラクタを愛せない詩人はただの釣り人だ針にかか…

No.76 食べられない僕

食べられないものは全て無意味で僕は生きるために生きているので邪魔はしないで お願いだから「食えない奴だ」と罵らないで 味付けするよ 愛想の良さで甘味をつけて 毒舌のスパイス僕はあなたの好みに変えるからあなたも食える奴に変身しておくれ 楽しい飲み…

No.75 不都合な世界

姿形を真似してみても鏡の前では正直ねくまが出来てみすぼらしい同情する男に抱かれた後 夢を見た 愛されていた白馬に乗ったゾンビが私を食べて 残りを捨てた白馬が私を踏んづけた ありがとうと 呟いたらゾンビは会釈をして去った苦しいけれど 気持ち良かっ…

No.74 シルクハット

暗がりで発光するシルクハット 目を凝らしても素顔は見えず スチームパンク気味の都会の中で 浮いて見える青いシルクハット 何処かに消えても誰も追いかけず 誰かに話しかけることもなく ただただ時たま現れては消える 発行する青いシルクハット どうしても…

No.73 友達いらない

友達いらないなんて強がりを言って笑って本当に一人になれば誰かを求めるくせに くだらないこと喋るとくだらない悩みが消えてくだらなくないことだけ気付かせてくれるのは誰? 小鳥のような囀りあれから変わった景色みんな大人になったら昔話の花咲かせ くだ…

No.72 石になったガム

吐き捨てたガムがコンクリートに張り付いて石になるそれを見ながら彼は人を待つことに飽き始めている 吹き荒ぶからビルは傾いて見え傾いているから彼は落ち着くポケットにしまったライターを取り出し煙草に火をつけると涙をこぼす さあ うちに帰ろうかあても…

No.71 詩人の詩

朝早くに小鳥のさえずりが聞こえて冷えた部屋の床に足をつけるありふれた日常とありふれた寝不足でふらついた思考は時間の波間を漂う おかえりとただいまを同時に言えたなら僕はこの部屋から出なくて済むのに電気を付けて寝癖を直しながら自分の中で何かを殺…

No.70 自由で不自由なあなたと

苦しむなら自由に苦しみたいものだ縛り付けられた考えに悶えるだけの日々だ縋り付くもの全てが熱い鉄のようで焼けただれた手のひらが鬱陶しい 悲しむならあなたを巻き込みたいものだ縛り付けて考えを押し付けるだけの日々だ縋り付いてくればもう二度と離さな…

No.69 流れ着く先

触れたら溶け出す 氷のようにかけがえのないものが 液体に変わる狂い出した時計の針を止めて雁字搦めの鎖を解いて (今すぐ) 車の中のスノードームが転がってブレーキの下に挟まった止まれなくなった車は壁にぶつかりフロントガラスにはひびが入った 何故か無…

No.68 夢の住人

遠い昔 夢を見ていた少年は 今はもういない悲しいけれど 事実を歌う私はきっと 夢の住人 遠い景色 眺めていても少女には 何も見えなくて寂しいけれど 事実を歌うあなたはきっと 夢の住人 少年と 少女には私たちは もう見えなくて切ないけれど 事実を歌うやが…

No.67 追憶の手紙

雨の音がする雨の中傘を差して行き交う人々の足音が聞こえる目を閉じて彼女のことをまぶたの裏に映す 彼女はとても綺麗だった何もかも完璧なほど油断も隙もない女だったそんな彼女を失うことは何よりも辛かった 蘇る映画のワンシーン愛する者を守るため死ん…

No.66 飴玉

眠ったままに煙草を吸う男が寝返った布団に火がつき瞬く間に燃え上がったそして男は目覚めること無く焼死したそんなホラ話で笑いながら酒を飲んだ 家に帰ると灰皿を準備して煙草に火をつけようとして布団の上に座りながら日々の憂鬱をめくるめく思い返し始め…

No.65 懺悔に似た回顧

…これは現実にあった話を基にしている… 僕いや僕の家族はきっと僕が生まれた後の数年だけが幸福だった 僕には兄がいる兄は幸福だ何故なら僕が生まれる前までは両親のまともな愛を独り占め出来たのだから 僕は一人遊びが好きで父親は「お前は一人で遊んでしま…

No.64 3つの世界

僕の思いつきが僕の世界を作って悲しいことに僕自身がその世界を壊した漂う煙の中で佇んでいる死神がこっちを向いて笑うから 早くうちに帰ろう 彼の思いつきで彼の世界を救って切ないほどに彼自身がその世界を愛した疑う民の中で踊っている天使がこっちを向…

No.63 煙たい部屋の中

世界が僕に背を向ける時も君はいつか見せたような笑顔で世界が君に背を向ける時も僕はいつも見せるような笑顔で 鉄で出来た心に鍵をかけても熱い炎で溶かしてしまえば良い鎖で繋いだ心が空へ飛んでも細く長い糸で手繰り寄せれば良い 君はいつも馬鹿にしてお…

No.62 流船

煌めく理想郷から突き出ている摩天楼儚げに光るのは一筋の涙のような流星実はそれは星の残骸に似た宇宙船だが理想郷に住む人たちは願い事を唱えた 無重力の中で掴み合う二人の男の目的それは宇宙で一番輝く鉱石と膨大な金赤と青の宇宙服は空中を泳ぎ掴み合う…

No.61 街路

長髪のスーツ姿の男が煙草をくわえて 短髪のスーツ姿の男を待ち続けている熱いコーヒーを啜る音が喫煙室に響く冷たいコーラを買い男が喫煙室に入る 二人はどういうわけか暫く会話しない何か事情があるような顔で煙草を吸う煙は排出装置にただただ吸い込まれ…

No.60 ants

渡されたバトンを次に繋げようとして逢魔が時に疾走させるバイクの爆音が鳴り響く街に彼らの味方は少なかったしかし彼らは走ることをやめなかった 喧嘩で青タン作りながら金属バットで明日をぶん殴る下らないパンク気取りしかし彼らの青春はそこに炎を感じて…

No.59 work

全てを計算し尽くして仕事をこなして早朝のブラックコーヒーを飲み干してそれから家に帰るとぐっすりと眠って二日置きに来る仕事までのんびりする リストの殆どはもう消えてしまったが男はライフルを手放すことはなかった何かを隠したいがために殺される命に…

No.58 断片集

布団には 詰まった麻薬 秘めやかにバレることなく 起きることなく 常夜灯 暗がり欲しさ 水欲しさ乾いた喉に 薄暗い糸 画面割れ 顔が二つの 著名人やけにいらつき 電源を消す 小鳥鳴く 電線の上 曇り空感電死した 幻想覗く 今月の 給料袋 破り捨て家計簿捨て…

No.57 見世

「酔ってらっしゃい看てらっしゃい」龍に竹の冠を乗せた鳥のような籠の鳥刑務所行きを待つ留置場の真ん前には踊り狂うシルクハットの男たちがいる 「勝ってきままでは仕舞いには肺に」溜まりゆく黒い胞子から出たきのこ雲原爆水爆を見たこともない男たちには…

No.56 鍛造

「おめえさんの言うこたぁちと難しい頭こねくり回さなくても良いだろう?おめえさんのためを思って刀繕ったが死に急ぐこたぁない此処で暮らせよ」 頭を丸めて何十年か経ったであろうか親父の言うことには一理あるが彼にはやらねばならない復讐が付きまとって…

No.55 恋心

厭世の角度から罵倒される道のりには数多く色とりどりの花が咲いてしまうその花をつむ勇気すら湧かずに年老い全てをうやむやにすべく奔走する勢い やってられないことは全て後回しして飲んだくれて管を巻くのも楽しげだが家に帰れば一人きりの冷たい布団だけ…

No.54 万屋

「耳に入る言葉を口から垂れ流す奴」陰口を言われている彼はチクリ屋さんでも仕方ないことだろう?食べるため人はあらゆる人を裏切るべきだからさ 「煙草を一つおくれ」そう呟いてみて差し出された物に火を付け吸ってみたやけに湿気っていてうまい煙草だった…

No.53 easy

それは数をこなせば簡単なことだろうましてや深く考える必要もないだろうアルコールに任せインクに滲ませよう暗がりに虹を描くアルカロイドのよう パーキングエリアに高級ホテルを停めカクテルをバスルームに注いでいる彼変に宗教を知ったかぶりする老いぼれ…

No.52 ミア・ウタモチ

物言わぬロボット 私の恋人だ 名前はミア・ウタモチ パルプフィクションから拝借した名前だ 彼女の外観は黒髪のショート スレンダーで統率の取れた体型 当たり前のことだが歩くのはぎこちない 人肌の感触のゴムを使っている 私はこのロボットを完成させるの…

No.51 arms

立派な角を持っているからには屈強で何にも怯えることのない男でありたいそう願う少年が発する言葉で爆発する東口から西口にまで爆風が通り抜ける 爆発したのは抑圧された精神の爆弾で人を傷付けたいと願う彼の邪な心境でそれに吹かれた大人たちは怯えている…

過去詩 まとめ15

***ガラクタの匣*** ・花の音 花の音に誘われて足取り軽く道草すれば花の音が答えてくれる“さぁさ一緒に踊りましょう” 散れば花々安らかに蝶々に吸われた蜜のあと音色は高く華やかに社交ダンスは風まかせ 花むぐりとミツバチは唄い蝶々は何処へともな…

過去詩 まとめ14

***ガラクタの匣*** ・月に煙を巻いて 煙草の灰がポトリと落ちた気づかぬ間に何かしら時は経っていたようだ灰色の壁紙に煙の膜が張っているしょぼついた目は血走って緊張しているそれをほぐしながらベッドから出る 一人の心地よさを知り孤独とはもう恋…

過去詩 まとめ13

こんな時間ですが、誰かに寄り添えるように詩を載せます。章が変わり、少しマイルドな表現になります。 ***ガラクタの匣*** ・ガラクタ 自由の人よ この世界を駆け回れ孤独の人よ その部屋を出て行け憂鬱の人よ あの広い空に叫べ 自由は手の中に 孤独…

No.50 cook

厨房には踏み潰されたゴキブリの死骸コンクリートの上にこんがりと佇んでまるで調理する料理人たちを睨み付け踏み潰そうと企んでいるように見える 暗い話題から明るい話題までこなして何でもござれのトーク展開を繰り広げ料理が冷めても止むことなく喋り続け…

No.49 男たち

バス停のような男が立ち尽くしたまま時間だけを克明に覚え 繰り返し唱える三十分に一本 巡って来る客たちを迎え挨拶もそこそこに立ち去る彼らを送る 電話ボックスのような男も立ち尽くし時代の流れに逆らうようにしながらも寂しげに分厚い本だけを片手に持っ…

No.48 8bit

8ビットはくわえ煙草でスラムを歩くデタラメな話に組み込まれたシステム金を数えるためだけに生えて来た手にピストルはあまりにも重すぎて悲しい 泣き崩れ目の前に跪く男を撃った話を声高らかに話す酒屋の若いチンピラに8ビットは愛想笑いをしているだけだ…

No.47 boys

カタルシスの海に溺れて中毒者のよう痛みを受け入れると彼らは調子に乗る死神に似た純白の顔の教師と女生徒は下手に動くと首元を搔き切る鎌を持つ 臓物がぐねぐねと語り合うような感覚鬱屈とした放課後に新品の漫画を添え部活動で拗らせた夢物語を読み漁ると…

No.46 騒壁

身構えると見違える壁の中の狂気たち隣の部屋で騒いでいる親しい囚人たちもう番号で呼ばれることも無くなった名前なんて不確かなものを探し回った 男と男はひしめき合いながら上り詰め暴力の行方はベルゼブブの戯れる監獄思惑は臭い飯の中に混入した剃刀など…

No.45 letter

マッシュルームヘアを切り落としてさメンヘラ共の悲鳴を聞いて涙を流そう死ぬ死ね死んで死にたい死んで欲しいそんな言葉を使わないで殺してみよう ホロリと泣かす薄い芸術に乾杯しようカフェアートと空に自分を投影しよう森に行けば森の生き物に変わり果てて…

No.44 jam

エゼとジルベルトよ!もっと虐めろ! 太陽のように熱い眼差しを軽蔑に変えシャルモン・リュミエールを殺すのだカナぺはいつも見張っているだけだ! マドモアゼル!オードウィーを持ってトルシュに吹きかけくたばっちまえ!ヴェスタルはカジノですったばかり…

No.43 傷物

過去の一度の失敗に足を取られ動けず時間という歯車に任せ進んでゆくだけあれから一歩も自分で歩いた事はない傷物の商品を誰が手に取るというのか 自堕落な男の下らない出来事の数々に口を出す気も無く抱かれるだけ抱かれ帰って行く女たちの閉めたドアを見る…

No.42 短編『ロボットの玩具』

私は子供の腕に抱かれ、冷たくかたい皮と温かくやわらかい皮が触れ合うのを感じた。私は動けない体なのに、この子は活発に動いて私を抱えて連れ回す。返事ができないことを知っているはずなのに、その幼い瞳で私を見つめ語りかける。この子は本当に楽しそう…