うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

No.296 一瞥

生気を抜かれて 口を開けたままでいる 彼の苦痛を知る者は 一人もいなくなる 電車に揺られて 乗り過ごした駅の数を 数えながら 項垂れて新聞を頭に乗せる 古い紙の匂いで 誰かに会いたくなった 彼に会うべき人は 一人もいなかったが それでも誰かと話したく…

No.295 (タイトル思いつきませんでした)

男たちが 彼を標的に仕立てていた頃に 彼は通りすがりの老人に 話しかけられ 「幸福が欲しいなら この本を買え」と 怪しい本を買わされ 困り顔をしていた 五千円札と老人は いずこへ去ってゆき 彼は本を パラパラとめくり遊んでいた 男たちが 血眼で彼を探し…

気まま日記 5/25

とても綺麗な夕日が撮れました。 シャッター音が出ないアプリで撮りました。 何を恥ずかしがっていたのでしょうか。 この前は、電車の中でシャッター音が鳴ってしまって恥ずかしかったです。 さておき、一日の終わりに夕日を眺めるというのは、贅沢なのかも…

No.294 喪失

頭の中に出来た世界が 狂うと彼は語る 脈絡がなく どうでも良いような話だが そんな彼を見るのが面白くて 女は聞く くだらない事が 彼らにとっての幸福だ 忘れてしまえば良い 今日は何もないと 信じ込ませれば良い 明日は望まないと 相槌を打つ女の瞳が とて…

No.293 色事

身体中 掻き毟る痕 なぞる指 ミミズのように くねらせた跡 ふくよかな 頬を掴んで 空を見る 布きれ触れて 雲だけ摘む 寄り添えば 肩の震えが 伝わって 憂鬱に落ち 冷めきる瞳 日暮れには 似合わない歌 流す部屋 茜の空に 雀が歌う

No.292 詩

詩は何だろうと考え続けている 以前のように自分が書くものが詩かどうかはそれほど気にならなくなったが 身の周りの情報が少なくなり 他人の詩をほぼ読まない生活に慣れてかなり経ち 自分の中でも描きたいものが何なのかわからなくなってくると 詩は何だろう…

No.291 game over

銃を片手に乗り込むワゴン 素晴らしい陽気外れた予報 不規則な街に一発撃ち込む そこから見えた彼らの母校 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 長すぎるロードを過ごし 彼らは遅すぎる春を待つ 未来に宛てた過去の手紙 届かなかった夢だけ並ぶ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

No.290 夏の日の少年

自家用ジェットのサンダルを履いて 駆け出した少年が水溜まりを飛んだ 話しても話させても足りない 聞いても聞かせても足りない そんな夏の日 スイカ割りがしたかった スーパーに並んだスイカを眺めながら そこまで好きではない果物の前で 彼はひたすらにか…

気まま日記 4/21

昨日今日、良い映画を観た。 6作品観て、心に深く残ったものは2作だった。 1番良かったと思ったのは、「万引き家族」だ。 是枝監督の映画に対する誠実さや、今まで培ってきた全てが集まって、1つの到達点に辿り着いたような作品だった。 是枝監督の作品は、…

No.289 ノコギリ

脳を切り開くノコギリ そんなもののために彼は死んだ 彼にしか出来なかったことは 永遠に出来ないままだ そのノコギリを 彼の親友が布巾で拭いていた 見つかることはない 隠れる必要もない 彼の親友は打ち勝ったと思っていた 彼がどれだけ力を持っていようと…

No.288 春

準備運動もままならず ソフビ人形のような関節の動きに 春がやんわりと答えて 陽気の中でギシギシと歩いている 彼の頭のてっぺんは熱くなって 昨日見た夢が蒸発してしまった とても良い夢だったような気がする 勿体ないと思って帽子をかぶる どうせ散る花を …

テストです。

http://hiro0880.html.xdomain.jp/test2.html 改良の余地がまだまだありそうなので、時間がある時にちまちまと試して行きたいです。 まずはフォントをnoto sansに変えたいです。 あと、レスポンシブ対応頑張ります。

No.287 彼と街

街は穏やかに 黙り込んでいる 食べかけのポテチ 冷たいジャスミンティー 袋の重さで 右手が痺れた彼は 左手に持ち替えながら歩いた 家々の隙間を 曇天の空を 草臥れた陸橋を キャベツ畑の前を 彼は歩いた 時間は止まっていた 何かを動かすには まだ何かが足…

No.286 首の痣

窮屈では無いはずなのに 息苦しい部屋 少し外を歩く 彼は良くなった気がした 何が良くなったのかは わからなかった 相変わらず喉には 鉄球が詰まっていた 疑え疑え 死ぬほど酷く赤くなった辱め あいつらはまた 絞首台へと誘っている 貫け貫け 死ぬほど痛い鋭…

No.285 誰か

(二日酔いのような体調で目覚めた 酒なんて一滴も飲んでいなかった 彼は遠くの街で実家の仕事を継いだ 私は私で何かを始めようとしている 先月は7日間を1000円で過ごした パンの耳に砂糖をかけて食べた 穴の空いた障子から見える景色が やけに浮かれて…

No.284 要らない物

飾ってあった土産物を捨てている時に 彼は鼻歌を歌う 楽しげに ハワイで買ってきた友人は もういない 少なくとも彼にとっては サーフィンをしている少女は笑っている 腐ってきたバナナの皮の上で 友人の笑い顔すら 思い出せないので 何も感じずに 彼は袋を縛…

No.283 独

古びた街並みが 通り過ぎる男を眺めていた 彼は見向きもしない 夢に出てきそうな 奇抜な喫茶店も 現代美術を飾る ギャラリーでさえも 彼の目には止まらない アスファルトばかり見つめている 彼は 呟いていた 聞き寄れない声で何かを 二駅ほど 歩いている間 …

No.282 一雫

人との関わり合いを避けるあまり 孤独を愛してしまった男がいた 彼は誰よりも乾いた息を吐いて その息をも白くする季節を嫌った 一年という時間は短く 季節というものは儚く 巡り来る苦しみの中で 一雫でも何かを垂らせたのなら 涙は渇く 出来事は全て置き去…

気まま日記 2/25

映画館に行って映画を見たい。 新感染はNetflixで楽しく見たが、やっぱり映画館に行きたい。 今日は録画していたドキュメンタリーを見て、化学物質過敏症を初めて知った。 微量な化学物質にも反応して、症状が出てしまう病気だ。 頭痛、吐き気、目が腫れる、…

No.281 少年と磁石

反発する磁石を 少年は親指と人差し指で摘む 力をどれだけ入れたとしても 弾けて裏返るのが結末だ 少年は 友達が少なかった 親友などには 夢でさえ会えない 友達という言葉に嫌気が差すほど 話をするのも 聞くのも 苦手だった そんな少年は 家に帰って 磁石…

No.280 煙管貝(キセルガイ)

駅構内のアナウンスを聞きながら 自動的に流れていく時間を数えている 何かをしなければならないのだが 何もする気が起きず ベンチにくっ付く 煙草が吸いたくて 一旦改札を出る 目の前を右足を引きずった男が通る 珈琲を買う 喫煙所に着く 箱を取り出し煙草…

No.279 でんでんむし

味が無くなるまで噛み続けたガムのような思いが 彼の頭の中でべっとりと張り付いた 薄くなりかけた時に捨てておけば良かったなどと 後悔すら馬鹿らしい気分で歩いた 彼は誰よりも早く歩きたかったが 右足が鈍く 人々に追い抜かれた 追い抜く人々は迷惑そうに…

昨日の続きですが。

こんなものも作ってみました。 日々精進です。 http://hiro0880.html.xdomain.jp/tategaki.html

お知らせ

http://hiro0880.html.xdomain.jp かなり簡易的ですが、ポートフォリオサイトを作ったので、遊びに来てください☺

No.278

運を信じない 不運を信じる男が 幸せを感じるには 不幸せになるしか無かった DVDのパッケージの向こうから おどけた顔でコメディアンが挨拶をする それを棚に戻して 遠くを目指し 手にしたのはスプラッター映画だった こっちの方が笑える 笑えない方が笑える…

No.277 pudding

カラメルの海で 蕩けそうな微熱で 匂いを確かめ 海底を蹴った 波打つ底は すぐにえぐれそうだ ボートがあったら 掬って遊ぼう 「見つからないように 落とされないように 流されないように 必要以上 沈まないように」 空を眺めてれば良い カラメルを飲み込ん…

お知らせ

今日、Twitterのアカウントを削除致しました。 理由は、相互フォローでない人と言い争いになってしまったことと、それについて謝罪などをしないことについて、失礼だとフォロワーさんに言われたからです。 そんなにめんどくさい場所なら、離れたいと思いまし…

No.276 白い液体

くだらないことばかり考えていた 世の中の片隅で歩きながら ビルはそっくりそのまま 夜に返された 裏側を見るには 登るしかない 月が見えない夜は 雲をしっかりと眺めて 不穏な気持ちになれたら 明日はきっと晴れるだろう 瞳を閉じても蠢く虫は 敵ではないと…

No.275 旅人

旅に疲れた旅人は 足を止めて 少し考えた 彼の故郷は遥か遠く 帰るためには金が足りない 元はボーリング場で 今は朽ち果てた所 そこに彼は横たわった ボールを眺めながら 嘘に決まっていた旅への幻想は 金と共に散った 他に何もない 汗ばんだ首を 落ちていた…

No.274 雪道

凍てつく空気が突き刺さる 感覚は遠ざかり 意識は冴える 指は真っ赤になって傘を掴む 降り積もる雪がさらさらと落ちる 何時間そうしていただろうか 寒さを紛らわすために酒を飲みながら 相手を待ち続けている ライターの炎で雪を燃やしたいと思いながら しば…