うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所。

No.123 猫 男

巨大な猫が捨てられたブラウン管から飛び出して目に飛び込んでそれっきり髭が生えて耳が頭の上に乗った男には常に巨大な猫が喋りかけて付きっきり 「大丈夫か顔色悪いぞ頭痛いのか?」「お前やけに息が荒いがどうした?」男の心配は巨大な猫だけだったのだが…

No.122 いつかの君

僕は君に手を引かれて 嘘みたいに晴れた小径を歩く 木の葉が太陽に照らされて ゆらゆら揺れているから僕は眠くなる 君が教えてくれたアイスは美味しい 君が連れて行ってくれた場所は楽しい だから僕は眠い目をこすって 君の手を握りしめて歩いて行く 僕より…

サイトに載せた詩 No.1

サイトの方に詩を載せたのですが、ブログにもその詩を載せようと思います。 サイトの行き先がわかるかたは、サイトの方も遊びに来て下さると凄く嬉しいです。 poetry 【1】 静まった街に群れとはぐれた男が一人何もせずに地面ばかり見ている彼に空ばかりが話…

No.121 六時

毎朝六時に目覚めて部屋の掃除をする彼の心の中は散らかったままだったがこの行動で少しだけ整理されていって有意義に時間を活用していると感じる 彼は寝つきが悪くて身体を壊していたもう少し眠る方が良いのかも知れないだが埃が徐々にちりとりにたまる度に…

No.120 art

痛い芸術は毒と薬の効力を同時に発し彼の言葉で卒倒する美女たちと熱気にやられた彼の信者たちは狂気で発酵しはみ出たものを仕舞い込むために必死 可もなく不可もない焼き直しは仕損じくだらなく砕け散る芸術は彼の裏返ししかし信者は芸術を真に理解出来ずに…

No.119 暗闇

それでも彼は歩くことをやめなかったしかし果てに見えた小さな光が徐々に大きくなってゆくと同時に寂しくなり暗闇の中で立ち止まり少し考えていた 憂鬱はいつも自分の腹の中で歩き回り罵ったり慰めたり抱き寄せたりしては彼の食道を通り口から這い出て来ると…

No.118 あなたの夢

夢を見ていた それはそれはグロテスクな夢を ただあなたはそこで微笑んでいて わずらわしいことから全て解き放たれて ウジに食われていた それはきっとテレビ番組の影響で カメラに切り抜かれた悲惨さを頭が覚えていたからだろう だから目覚めた時にそれを悪…

No.117 今いる場所

君の傷ついた心が温かいほど 切なくなる気持ちはとても綺麗で けれどもそれは残酷で 現実の中で 汚く塗り潰されてしまうよ 少女のように 少年のように 女のように 男のように それは全てが 誰かの決め事 傷つくばかり 心は満たされず 恋は何かと尋ねても返事…

No.116 巣喰い

首筋が熱くなっても取り乱してはいけない彼を笑う虫たちの歌が耳をつんざく時も 冷たい仮面を剥ぎ取れば優しい彼の顔になる彼の顔まで剥ぎ取れば夢見心地で肉になる 血圧が高くなっても取り乱してはいけない彼を追う虫たちが歌を歌うことをやめても 熱い破片…

No.115 野良猫

へらへらと笑う休みがちな太陽が 雲の切れ間から調子に乗っている11時半 ボンネットに乗った野良猫が訝しそうに 僕の頭の中を覗き込んで その汁を吸いたがる 中途半端なラブストーリーの後に ぶっ飛んだファンタジーを描いている 中途半端なサスペンスの中…

No.114 pulp

俺は素足でフローリングの冷たさの上でクタクタになったTシャツを着ていた 耳の中が腐ってしまうほど突き刺したイヤホンが苦しそうにもがいている フローリングの冷たさを感じながら耳掻きでゴソゴソと相談していたら 聞き慣れた声が俺のことを呼んでいると…

No.113 遠くに行きたい

悲しみを追い越して寂しさを誤魔化して耳の中から頭の中へ脳の中から頭痛の元へ 車の免許も無いくせに君と海まで行きたいんだバイクの種類も知らないけれど君と遠くに行きたいんだ 馬に乗って 星になって風が吹いて 僕を運んで君を待って 寄り添って手を繋い…

No.112 性の船

涙も出ないほど悲しい性 夢も見れない苦しい性 妄想の中の抑え切れない性 やがて沈みゆく船のような性 どれも同じ人物の中で同じように収まる性 コップから溢れそうな水の上を悲しさや苦しさを抑え切れない船に乗る 性はまとわりつく衣のようで汗を吸わない…

No.111 短い散歩

気取った花が語りかける「そんな顔をしてどこへ行く?」寝不足で白い顔の僕は答える「君のいないところに行くさ」 湿ったアスファルトが濃い灰色で不貞腐れている水溜りは鏡のように雲を映し僕の不機嫌な靴を描いている 切符を買っても宛先知らず電車に乗っ…

No.110 落書

ガラスの中の観葉植物が土に反抗する時は鳴り止まない電話を切るように眠れば良い 蛍の光が届かない夜になったらペットボトルの中に水を入れて猫を避ければ良い 方位磁針の気まぐれを聞き過ぎて飽きたらオイルの切れたライターを擦り続ければ良い 灰になった…

No.109 鏡面

彼は形容しがたい思いで目を覚ましたどうしようも無いほど身体が動かない重たくて固くなった身体を引きずって鏡の前まで行くと彼は愕然としていた 何がどうしてこうなってしまったのか彼の顔や身体は別人になっていたのだ髭面の見たことのない男になっていた…

No.108 るうぷ

煙草の灰が太ももに落ちて落ちたところが熱くて弾け飛ぶ 飛ぶように水をかけて冷やし冷やしているときに悲しくなる 悲しい歌を歌ってしまおう歌ってしまえば痛みもまぎれる まぎれた人混みの中に入り入った店はがらんとしていた がらんとした店内のスノード…

No.107 映画

部屋を暗くしてテレビの近くで寝転がりながら映画を観ていた 外は土砂降り 叩きつけられた雨映画の音を遮るほど響いている 夕暮れが過ぎて やがて夜になる外の雨は弱まることはなく映画は流れ続けている 疲れ果てた目が反射的に涙を流しているのか疲れるほど…

No.106 シケモク

湿気った煙草は重苦しくて美味い 悩ましい考えごとの結果は意味も無い スクラップブックのようなアルバムの 行けなかった卒業旅行が煙になる 笑顔だらけ切り取って貼り付けて 良かったなんて思えるはずも無い 全て雨に濡れて湿って錆びて仕舞えば良い 屑鉄の…

No.105 幻現(ユメウツツ)

ブレた視点でピンボケOK 万華鏡の中へ 泳ぎ出す 奉仕するのが好きだから まるで主婦のように家事を撮る 出発 進行 方向の転換点 鮫の背びれが美味そうだ 日干しにして 餡に絡めて まるでシェフのように舵を取る 和 洋 折衷 くらくらする 着物を着た痩せぎす…

No.104 顔のない僕

何者でもないと嘆く時 何者かが僕を戒める 「格好良くない みっともない」 それじゃ僕は行き場がない 何事でもないと信じても 何事かは起こり続けて 「愛想良くない 君を見たくない」 それじゃ僕が生きられない 小さな小さな 部屋に閉じ込めた方が 簡単に素…

No.103 陰干し

疑問符ばかりが張り付いて 君の顔は強張っている 跡形もなく消し去りたい その疑問符を剥がしたい やけに思い出が重なるから ミルフィーユのようにフォークで切って その切り口の見事さを笑って 君と平らげてしまいたい 君に出来ることを数えて 僕が出来ない…

No.102 宙に浮かんで

酒に頼ることも出来ずに 自堕落を気取ることも出来ずに ただただ寝れずに図に乗るばかり だらだら汗だけ垂れている 矛盾は無限に広がってゆき やがて覆い尽くす満天の星 夢見るだけ夢見た後は 夢見たことを恥じている もっと単純におろそかに出来たなら 僕は…

No.101 (1985)

肉がえぐれるほど腕を掻き毟る男何かに苛つきながらグラフィックノベルの台詞を読む翻訳されたてのまだ温かい文字が彼の苛立ちを掻き立てて掻き毟る手は止まらないままに ペン先の遊び心が彼を急がせるつま先を忘れて走り出したそれを踏みつけた赤いヒールの…

No.100 8/6

白と黒では決められない偽善の色は透明な灰色で吐いて捨てるような煙と包まれた布のような言葉 太陽に照らされて火照るアスファルトに手を当て目玉焼きを頭の中で作る熱さと痛みは歪んでゆく どうしようもない人々のどうしようもない気持ち何を考え何を感じ…

No.99 地面の穴

儚く崩れる地面 奈落を覗き込めば 輝く思い出たちが 暗闇を照らしている 飛び込めばもう戻れない 時間が止まり動けない 躊躇する間も無く 足は沈み埋もれてゆく 駆け出すと地面の穴は 遠く離れていった 振り向くとそれは ただ陽炎のように揺れて あの暗闇を…

No.98 希望の歌

僕はいつも探してる 何を探してるかわからないけど 僕はいつも求めてる 何を求めてるかわからないけど 土砂降りの雨が丁度良い 明日の心配も洗い流し スレスレで生きていきたいから ずぶ濡れでも生きていたいから 何が起きても構わない 何が終わっても知らな…

No.97 街

なんやかんやで 辿り着いたら そこは東京 眠らない街 とは程遠い 眠る街並み 山がそびえる 鳥は鳴き出す 虫の音色に 寝つきは悪く 犬の遠吠え 寝起きも悪く 緑と青の コントラストが うざったいから 目を閉じている 狡い言葉を くれた貴方に あげる言葉は 「…

No.96 パーツ

奪われた物は全て数え与えられた物を全て捨て夢みたいな言葉を重ねて憂鬱なことは全て忘れ 辞めちまいたい 僕を仕舞いたい嘆きの燻製 煙草に火を点ける冷めちまいたい 僕は発火して過激な恒星 燃えて光り続ける 盗まれた物を全て数え盗んだものは全て売り飛…

No.95 幻想(街灯の夏仕様)

夏に揺れてるそびえるビルを遠く見つめてるこの瞳の奥で移ろいゆく時間だけが音を立てて刻まれている 声を潜めて気付かれぬようにひっそり一人捕まらぬように誰に祈る訳でもないのに誰に救われることもないのに 気が付けば夢見た景色夢見た人々 忘れたはずの…

No.94 彼の泉

ふいに美しい声がした 彼はその声の元に歩いた ふとしたことを思い出した その日は日曜で空は曇っていた ガラスに亀裂が走り 「ふとしたこと」以外は忘れ去り そのガラスの中に入っていた水も 飼っていた魚も何処かに溢れた 美しい声はやはり消えた 彼にはわ…

No.93 紫煙

煙草の火 当てた手のひら むず痒い 穴が空くほど 灰皿代わり フィルターを 噛み潰すたび 気が狂う 葉っぱを噛めば 正気に戻る 成人に なる寸前は 生きた肺 なった途端に 燻製の肺 日が照った 鉄の熱さで 火を付ける 血の味すると 少し微笑む 栄えてる 街並み…

No.92 曇り空とアスファルト

暗い朝に吹く風 午前十時になっても雲は重たく広がり灰色を落とす アスファルトを反射しているようで空と地面に挟まれて息苦しい 二つの思いに押し潰されて死んでしまった昨日の気持ちのようだ 僕は有名な小説の台詞を思い出してその主人公と同じように孤独…

No.91 永遠の恋人たち

一緒に落ちようと約束した恋人たち片方が落ちると片方は昇ってしまったまるで地面に引きずり込まれるようにまるで天使の羽が生えたように 固い土に捕まることはなくマントルに溶かされることもなく片方はただただ落ちて行った 羽が溶けることはなく吊るされ…

No.90 ハキダメ処/2

落書きで 赤のクレヨン 使い切り 黒く濁った 血を描き出して/ 深爪の 痛みで目覚め また眠る 繰り返しても 朝は遠のく/ 蝉の声 五月の晴れに 鳴りだして こびり付いたら 朝にうつむく/ 「忘れない」 この痛みにも 意味がある そう信じても 何にもならず/ 脳…

No.89 喫煙所

ビルとビルの間では 風が強いと聞いた 鼻に煙が入る事なく流されるから 煙草を咥えたままでいる のんびりとした毎日だ 特に何に追われる事もなく ただこなしているだけの日々だ 特に何から逃げる訳でもなく たまに大きな何かに 追われてみたいと思う そんな…

No.88 小説の切れ端

・今書いている物語の冒頭です。まだ自分でもどうなるかわかりません。 午前一時〜午前二時 始まりはいつものベッドの上だった。「想像で物を言うな」という台詞があるが想像の産物こそが彼の住む世界だ。彼はいつも眠そうな顔で寝癖も直さない。そんな彼だ…

No.87 ハキダメ処/

カーテンの 裾からさした 陽の光 浮かぶ埃と 晴れぬ心と/ 夢の中 逃げれば少し 楽になる 悪夢にもなりゃ 覚めて安堵し/ 窮屈な ベッドの上で 苦しがる 横の女は いまだ寝ている/ 飲んでいる コーラを全て 捨てたなら 流しのにおい マシになるかな/ 暗がりに …

No.86 Untitled

静寂を破ってどうしようもない罵声を浴びせられるようなそんな気分になる午後 電子音の波がイヤホンから聞こえる地を這うような低音が鼓膜を揺らす誰よりも惨めで残酷な運命を抱いて何処かに辿り着くまで穴を掘るような音 誰も知らない秘密を持っている誰に…

No.85 真空

煌めく理想郷そこから突き出る摩天楼奇しい光を放つ一筋の涙のような流星それはバラバラになった宇宙船だった理想郷に囚われた人々は願い事を囁く バラバラになった宇宙船に乗っていた乗組員の男は宇宙に放り出されて漂う太陽に近いからか少しだけ暖かく感じ…

No.84 密生

いつまでも同じことを繰り返している森に完全な死を待つ兵士たちが彷徨うそれに群がる蟻に食い破られた肉体は食料になりつつ森の養分になってゆく 鮮やかな青と深い緑と黒に近い赤にはそれぞれの世界が完全に別物のような逆にその世界が一つに交わったような…

No.83 虚空

苦しみたい時には人間を攻撃するのだ一に対して多数は残酷な力を示すから楽しみたい時にも人間を攻撃するのだ多数は一をとても簡単に踏み潰すから 黒スーツの大群がまるで蟻に見えたら電車に乗ると羽を揺らし合う蜂に見え革の財布で命拾いしている生活やらが…

No.82 思切

絵を描く彼の顔を誰が見たのだろうか彼を知る人はどのくらいいるだろうか狭い部屋を埋め尽くすように本が並びその本と同じくらい絵が飾ってあった 彼の名を覚えている人はいるだろうか彼は誰に愛されて誰を愛していたのか夢追う彼に少年は希望を持っていたが…

No.81 亡失

大切な何かを誰かに売り渡してしまい男はそれが何なのかすら忘れてしまう乾いた口笛と煙草の煙の中で微笑めば死んだはずの過去が壁に映し出される それは何だったのだろう とても大切で命より重い価値のあるものだったはず男はまた過去を映した壁を眺めてい…

No.80 psychopath

落書きされた卑猥な言葉に笑みを浮かべた初めての女この部屋にやってくる女たちは大抵壁を撫でながらそれにキスをする ピアスを開ける快感を覚えて肉体をねじ曲げたいと望んで来る日も来る日も初めての女がこの小屋にやって来て生まれ変わる そして男は報酬…

No.79 移りゆく

鼻白む君の顔に終わりを感じていたのかただ退屈な時間が終わりを伝えていたのか あの頃の僕の言葉は君の感情を乱してあの頃の君の言葉は僕の感情を壊して 移りゆく季節とは裏腹全く変わらない気持ちとは縁を切りたいのにバラバラに千切れそうな切ない気持ち…

No.78 悪友

くわえ煙草が似合う気障な男は言った「悲しいことは全て忘れてしまえ」と愛想つかして出て行ったあの子にすら未練は無いようで気ままな一人暮らし くわえ煙草の煙が目にしみた男の口癖「怪しい奴らに全てを奪われたのさ」愛されもせずに男は裏路地で午前三時…

きまま日記 3/18

久しぶりに日記でも書いてみようと思う。 クリスマスから書いていないので、きままにもほどがある。 僕の周りの環境はとても変わった。2月から働き始めた「鍋レストラン(居酒屋と言うと怒られるらしい)」も1ヶ月働いていることになる。 そして一番変わったの…

No.77 水面はいつも穏やかに佇み

詩人は釣り人と似ていると彼は言ったひたすらに待ち続け 針にかかるのを待つしかない詩人と釣り人の違いは釣り上げたものがどんなガラクタでもそれを愛せるか愛せないかだ詩人はガラクタを愛することが出来るガラクタを愛せない詩人はただの釣り人だ針にかか…

No.76 食べられない僕

食べられないものは全て無意味で僕は生きるために生きているので邪魔はしないで お願いだから「食えない奴だ」と罵らないで 味付けするよ 愛想の良さで甘味をつけて 毒舌のスパイス僕はあなたの好みに変えるからあなたも食える奴に変身しておくれ 楽しい飲み…