うたもち現代詩

詩を書き連ねる場所

お知らせ

http://hiro0880.html.xdomain.jp かなり簡易的ですが、ポートフォリオサイトを作ったので、遊びに来てください☺

No.278

運を信じない 不運を信じる男が 幸せを感じるには 不幸せになるしか無かった DVDのパッケージの向こうから おどけた顔でコメディアンが挨拶をする それを棚に戻して 遠くを目指し 手にしたのはスプラッター映画だった こっちの方が笑える 笑えない方が笑える…

No.277 pudding

カラメルの海で 蕩けそうな微熱で 匂いを確かめ 海底を蹴った 波打つ底は すぐにえぐれそうだ ボートがあったら 掬って遊ぼう 「見つからないように 落とされないように 流されないように 必要以上 沈まないように」 空を眺めてれば良い カラメルを飲み込ん…

お知らせ

今日、Twitterのアカウントを削除致しました。 理由は、相互フォローでない人と言い争いになってしまったことと、それについて謝罪などをしないことについて、失礼だとフォロワーさんに言われたからです。 そんなにめんどくさい場所なら、離れたいと思いまし…

No.276 白い液体

くだらないことばかり考えていた 世の中の片隅で歩きながら ビルはそっくりそのまま 夜に返された 裏側を見るには 登るしかない 月が見えない夜は 雲をしっかりと眺めて 不穏な気持ちになれたら 明日はきっと晴れるだろう 瞳を閉じても蠢く虫は 敵ではないと…

No.275 旅人

旅に疲れた旅人は 足を止めて 少し考えた 彼の故郷は遥か遠く 帰るためには金が足りない 元はボーリング場で 今は朽ち果てた所 そこに彼は横たわった ボールを眺めながら 嘘に決まっていた旅への幻想は 金と共に散った 他に何もない 汗ばんだ首を 落ちていた…

No.274 雪道

凍てつく空気が突き刺さる 感覚は遠ざかり 意識は冴える 指は真っ赤になって傘を掴む 降り積もる雪がさらさらと落ちる 何時間そうしていただろうか 寒さを紛らわすために酒を飲みながら 相手を待ち続けている ライターの炎で雪を燃やしたいと思いながら しば…

No.273

小さな部屋で孤独に耐える時 私は埋葬される光景を思い浮かべる 土が雪崩込み 棺が音を立てる 光は遮られ 途方もない闇と静寂が広がる 推進力をなくして座礁したボート 波がそこへ運ばなければ何処へでも行けただろうか 何処へ行きたいか空想を描ければ良い…

No.272

帰り道 二度も車に轢かれそうになった それは偶発的なものじゃない 明らかに意図的に突っ込んで来た その前を歩くのは緊張感があった どうしてだろうとは思わない 理由はいくらでもあるのだろう こんな時間だ 早く帰りたかったのかも知れない あるいは 土地…

No.271 暗黙

部屋に転がっていた牛乳パックの中で 得体の知れないものに変わったそれが 異臭を放っているように 変わらずにそこにある頑なな暗黙 語らずとも伝わることも 語らなくては伝わらないことも さして重要じゃない 過ぎれば終わる 誰がどう考えていたって関係は…

No.270

お前に何が出来る そう自分に問われたとしたら 何を答えられるだろうか 何も思い浮かばない 私は出来る限りのことをしたが どうにもならなかった 彼らも彼女らも もういない たった一人きり そう感じる 美しいものを見たら 美しいと言えば良かった 楽しい時…

No.269 輪ゴム

スプーンで掬った砂糖を計る 一口入れれば瞬く間に別世界へ 眼鏡が曲がってしまっても 目の前は良く見える 3キロ先は闇だ 蛍光灯に照らされた後頭部に 輪ゴムで狙いを定めている 人差し指と親指から離れれば 全速力で飛んでゆく どうしようもない 何でも聞…

No.268 気まぐれ

深い意味なんて何もない ただの気まぐれだった 私は小銭を入れた 口を大きくされた空き缶に 他の誰かの気まぐれが 私の気まぐれで音を立てた 彼は私より若かっただろうか 髭は伸び 所々破けた服を着ていた ダンボールは悪臭とともに立てられていた 彼はコン…

No.267 解

私はほつれた糸だけを取るつもりだった だがスーツはいつまでも吐き出した 眺めていると止められなくなって やがて小さな穴が空いた 革の鞄の中には重要な書類が入っていた それをゴミ箱に放り込むと ポケットの財布を出して手に持ち 安い服屋へと入っていっ…

No.266 大きな犬

犬になりたい 人を噛み殺せるほど大きな そうしたら麻酔銃でやられるのだろうか 大きな手術をしたことはなく 経験がない 無理やり睡魔に引き込まれる眠りに憧れる 私の知っている睡魔はいつも乾いている 質の悪い 浅い眠りにしか誘わない きっと彼(あるいは…

No265

彼は私に新車を見せびらかしに来た 車については詳しくない 興味もない だが彼は車についてあらゆる方法でまくし立てる 仕舞いには 私は無能だと言っていた そして 私たちは車に乗って煙草を吸った 新車の独特なにおいと混ざり合って 毒物のようなにおいにな…

No.264

避ければ良い 滅茶苦茶な頭の中を覗かれる前に 殴られても蹴られても 何も言わないような群れだ 逃げれば良い 無茶苦茶な生活を咎められる前に 罵られても虐げられても 何も言えないような群れだ 都会へと通じる一本の線がある その線を辿れば気分が解ける気…

No.263 夜の街

忙しなく動き続ける 無神経な奴らの間を すり抜けるには こちらもそうするしかない 張った目玉 PCを見すぎた テニスボールを二個つけているようだ 私はガムを取り出し口に入れた 硬質な味 ミントは冷静さを分けてくれる 無神経な奴らは盲目だ 身体がぶつかっ…

No.262 喉仏

停止した立川行に乗ると 首を真上に傾けた女が対面に座っていた 乗客は少ない 端の方の座席 彼女の喉仏が話しかけてきた 「今日はどこへ行くの?」 後ろの夕陽が美しい 脂汗を照らす 「どこへも 用もなく彷徨う」 喉仏は高らかに笑った 客の扱いに慣れた商売…

No.261 洗い過ぎた服

こびり付いた汚れを洗うために 冷たい水に手を浸すような 意味の無い行為に酔いしれている 私は彼を「苦労人」とは呼ばない 恥ずかしそうに こっちを向いて笑う 彼はいつも私の言葉を聞いている 聞くだけ聞いて 自分の事は話さない 私の弱みを握り 誰かに話…

No.260 彼等

草臥れたソファ 身体が沈む スプリングが腰骨に刺さる 訴えかけてくるような外の光 いつものように 行き交う車 関節を外そう そして湯気の中 煮立った頃にはほぐれている 無事に夜まで過ごせたらゲームをしよう どちらの方が長く立っていられるか 行き詰まる…

No.259 OPEN

最高の夜を過ごした後に 見る夢にしてはみっともない 点滅する パチパチ ジージー 今にも破裂しそうな硝子管 コーヒーは苦かった それはそうだ 目覚まし用だ 誘蛾灯も パチパチ ジージー 今にも降り注ぎそうな死体の山 (蛍光色の森林をガイドしたのは 良く出…

No.258 休日

妻が寝る横で携帯をいじっていると どうしようもなく煙草を吸いたくなる (はっきり言って最早美味いのかもわからなくなってきているが) 夜遅くに帰る時は電車の中で冷や汗をかくほど中毒になっている 自分の部屋に行って煙草を取り出した 煙はやはり美味い…

No.257 壁の鳥の瞳

鳥が飛んでいる 手は届きそうにない 気持ちよさそうに羽ばたいている 銃声が響く 鳥が落ちてゆく 私は落ちた先へと歩いてゆく 鳥はまだ生きていた 血に溺れながら 私をじっと見つめて 蔑むように見つめて そして死んだ 空は青かった 私は鳥を抱えて麓へと降…

No.256

苦痛の塊がごろごろと蠢く 触れ合えば欠け 砕け 小さい苦悩の塊になる 小さくなっても また大きくなる そうやって埋もれる そうやって窒息する だから こんな天気の良い日には 部屋の明かりなどつける必要も無い そして カーテンも開けずに 脳が停止するまで…

No.255 灰

マスクをつけた男が鼻歌を歌っている 階段をのそのそ歩いていた老婆が愚痴を垂らす 雨は振ることも止むこともない 此処はもう十分に狂っているのではないだろうか 金切り声のような風に吹かれて ややコンクリートに沈んで か細いからだを支えるために 傘を三…

No.254 煙草

奥歯が勝手にくっ付いたまま 力を入れ続けていたことに気がついた 少し間隔を開けたが顎が痛む それから窮屈過ぎる頭の中で繰り返す場面 それは夢か それとも現実か ? (煙草だ 煙草がもう二 三本必要なだけだ) 助けを呼ぶ どうしようもない どうしようもな…

No.253 眠れない夜のために

このまま燃え盛る都市を見て 消えてなくなるのも悪くない オンボロの服を着た占い師は言っていた 「悪くなるだけで良いことは無い」 私はくだらない夢から目が覚めた 隣で眠る知らない女のガーターベルトは 月の光に照らされて虹色に見えた 電気を付けると真…

No.252 愛の詩.2

そう考えてみると 僕はきっと 自殺したくなるほど孤独になった時に やっと愛を知るのだろうと分かる 今までもそうだった その前にわかった試しがない 僕は今ゆったりとしたソファに座っていて そこで煙草をぷかぷか吸っているようなものなのだ 失った時に本…

No.251 愛の詩

愛について詩を書こう 僕はそう思って文章を考えた すると何も浮かばない 僕は愛をそれほど持ち合わせていないのかも知れない 詩人は愛を書くものなのだろうか 一遍や二篇は必ず書く決まりなのだろうか 僕が書けることと言ったら 行動から起こった現象くらい…