No.140 加工写真と詩 part4
【コラージュ】
No.139 加工写真と詩 part3
【公園で】
No.138 加工写真と詩 Part2
【眠レヌ夜】
題が付いたものと、付いていないものです。
No.136 私と僕の愛
私の脳細胞 しっかりと捕まえて
あなたの好感を 搾り取るための愛
僕の老廃物 しっかりと流して
君の愛し方を 否定するような愛
振りまいた愛想と 振る舞いの愛憎と
混じる心と吐息は 冷めた素肌となって
やがて朝になる夜を 過ごしている時を
恥じる病とノイズは 冷めた光となって
差し込まれて 私の中へと
差し込んだら 僕の中へと
私は諦めて 差し込まれ
僕は改めて 差し込んで
光は一つになって 境界線はなくなる
朝も夜もなくなって 私も僕も一つに
二つに離れたら 愛すら忘れて
ただのあなたと 君になって
他人を着飾って 出かければ
腕を組むこともなく歩く
他人の言葉を 掛け合っていれば
誰にも気付かれずに歩ける
No.135 少女とウサギとヒツジ
こそこそ話す
ウサギの群れが
夢見がちな
少女の
夢の中で
陰口を叩くたび
少女は
うなされて
首元を掻いて
明日の
6時間目の
心配をしながら
放課後の
友人たちとの
関係を
模索していると
ウサギたちは
夢から出て
ヒツジたちが
代わりにやって来るのは
人々への恐怖心を
反映させているからであり
ウサギの残骸は
ヒツジたちの
寝床になっている
No.134 雄弁な木々
(詩とは
小さな物語?
大きな世界?
たったひとつのもの)
木々が雄弁になると
窓ガラスは黙り込む
僕は椅子に座って
そんな景色を見ている
冷えてしまったコーヒー
香りは出て来た頃より薄れて
飲む気力まで失せてゆくと同時に
僕は木々の語りに聞き入った
「何年前にここに来たかなんてことは忘れてしまったが引っこ抜かれた彼らの代わりに我々は植えられた」
そのことを僕は知っていたけれど
彼はあまりにも
真っ直ぐ 伸びすぎていたので
窓越しに
不味くなったコーヒーを飲み干して
僕は席を立つことにした
No.133 変わることのない景色
変わることのない景色が彼を閉じ込めている
懐かしさに恋い焦がれ過ぎ去った時を磨いても
輝くのはひと時だけですぐに虚しくなる
忘れ去られた人々はいつも彼の周りを漂い
恨みつらみも無く ただただ報われずに嘆いている
そんな彼を愛した人もいた
そんな彼も人を愛していた
変わることのない景色の中で
彼は変わっていった
大きな雑音に巻き込まれて押しつぶされそうになって
彼は自分の顔や手の皺を見て最期の時を悟った
変わらない景色の中で老いていった彼に残ったものは
愛し 愛されていたと信じていた心だけだった
そして 変わることのなかった景色はどこまでも真っ白な空間に変わった
その真っ白な空間の広さに打ちのめされながら
彼は彼を忘れてしまった人々に嘆いている